2011年の東日本大震災と原発事故。
現在、福島では生活環境の除染もすすみ、ほとんどの町と人は平穏を取り戻したかのようです。
しかし、福島の復興の影には、放射能が子どもの健康にもたらす影響への不安を拭い去れないお母さんたちがいます。緑豊かな野山は除染されておらず、そこで花を摘み、木の実を拾い、駆け回る。そんな自然の中での経験がしにくい子どもたちがいます。
そんな母子に少しでも寄り添いたい気持ちで、ミンナソラノシタは福島の母たち子どもたちを応援しています。

国は大丈夫と言っているのにどうして不安なの?

被爆の影響を受けやすい子ども

細胞分裂が活発な子どもほど被曝の感度が高いとされています。しかし、年間被曝限度量・食品中の放射性セシウム規制値は震災後に大幅に引き上げられ、大人と同じ基準が子どもにも採用されています。

甲状腺がんの増加と被曝との因果関係

福島県の小児甲状腺がんの患者数は230人を超え(2019年)、それは他地域の20−50倍にもなります。
国は「原発事故による健康被害は今までもこれからもない。」と言う見解を示しています。しかし実際には、長期間の低線量被曝が健康にどんな影響をもたらすかはまだはっきりとはわかっていません。

ホットスポットの存在

生活環境の除染はある程度すすみましたが、ところどころに放射線量が高いホットスポットが今も存在しています。側溝や植え込み、雨樋の下など、子どもが好みそうな場所の線量が高い傾向があります。
公園や校庭などは除染されていますが、山は手つかずです。そのため雨や風などの影響で、除染した地域でも再び線量が上がってしまうことがあります。

口に出せない不安

福島では、放射能に不安を感じていてもそれを口にすることは難しいそうです。
「国も安全だと言っているし大丈夫。」
「本当は不安だけど考えたくないから言わないでほしい。」
「復興ムードに水を差さないで。」
いろんな考えや価値観の人がいます。せめて心配事を共有したり相談できる相手がいれば、救われる人がいるかもしれません。